在学生インタビュー
興味のあるモノ・コトを
環境学の視点から紐解く楽しさ
PROFILE
環境学部 環境経営システム学科 4年田伏綾菜
企業が環境とどう向き合えば良いのかを知りたい
小学4年生の時、東日本大震災が起こりました。テレビが映し出す津波の勢いも恐ろしかったですが、何よりも原発事故が記憶に残りました。人間が作り出した設備によって地域環境が破壊されてしまった事に驚きを隠せませんでした。高校3年の進路相談で担任と話をしながら私がやりたい学問って何だろうと考えた際、あの原発事故の光景が蘇り、環境学が学べる大学へ進もうと決意しました。
学生時代でしか研究できないテーマを追求しよう
新型コロナであまり出歩けませんでしたが、趣味の旅行で国内を巡っているうちに地域郷土食に興味を持ちました。ちょうど研究室を決める3年生になった頃です。ライフワークといえる「企業と環境」を研究するか、新しい趣味を研究にするか迷いましたが、学生のうちにやっておかなければと考えて地域郷土食の中から柿の葉寿司を古川先生の研究分野であるオントロジー工学を使って研究してみようと考えました。また柿の葉寿司の名産地の1つ鳥取県智頭町では、当時90歳近い地元の方に従来のばら寿司が戦後に柿の葉寿司へと変わっていった歴史を直接ヒアリングする事ができました。
昔の事をこれからに活かすのも環境学
とりわけ鳥取県智頭町で行ったヒアリングは、古川先生が実践されている「90歳ヒアリング」と同じく、昔の人の暮らしの知恵を今の暮らしや地球環境に活かすための情報収集でもありました。研究者として、次世代に文化をつなぐ1人としてやりがいを感じました。
3年生時にISO学生委員会の委員長を務めた事も充実感、やりがいに満ちたものでした。
私の代は新型コロナの影響で行動規範が頻繁に変わった事もあり運営は厳しかったです。
そんな中、たくさん入会してくれた1年生のために、従来からの3部会に加えてチームを5つ増設、全委員が役割を持って活動できるようシステムの見直しを図りました。
社会の場でライフワークの実践を
私は来春から、ビルや原発など建物の空調設備の設計者になります。原発のシステムが暴走しないようにするには空調管理が肝要です。その設計管理の仕事に就くのです。子供の頃の原体験、高校時代に目指そうと決めた分野へ戻る事になり一段と身が引き締まる思いです。
大学は様々な事に挑戦できます。私にとっては自分の新たな興味ができてそれを研究分野にしながらも自分本来の目標を見失わずに社会へ参加できる事になりました。本学に入学して本当に良かったです。但し、それは自分1人で成し遂げたのではありません。趣味の研究まで支えてくださった先生方から後輩たちまで、関わってきたすべての人に感謝です。
環境学からあなたのテーマを探るのも良いのでは?
ひとくちに環境学といっても、地球環境学や人間環境学など色々な環境学があります。どんな分野でも企業と環境だったり地球と環境だったりと結びつく事柄があるはずです。どこに進学するか、またどんな研究が自分に合っているか絞り切れない人は、環境学から色々な学問を見渡してみると良いと思います。
私は文系思考の人間なので、環境統計学やアカウンティングシステムなどの数学的な授業より、持続可能な消費や環境経営基礎などの授業が得意でした。ですので、文理どちらで入っても自分の学問の捉え方から好きな授業を選べると思います。
また、環境経営システム学科生でも環境創生学科の授業を取れることも魅力です。ある先生が仰っていましたが、環境学を学ぶにあたって学の種類を一極端に学んでも、次に繋がる結論が得られないとのことでした。ですから様々な学問にチャレンジできることも魅力です。
もちろん環境の研究一筋の人にも本学はお勧めです。