環境経営システム学科 岡田啓研究室紹介
ゼミ生の活動
3年生は週に一度、指定された書籍を読み報告を行います。基本が大事なので、書籍の内容は基礎的なものとなります。具体的な書籍としては以下の物を報告していただきます。
書籍と目的
タイトル:「議論のレッスン」
目的:主張とは何なのかについて学ぶ。これを学ぶことで相手が何を言いたいのか理解することにも繋がる。この本の中には、トゥールミンモデルという簡単な図がある。このトゥールミンモデル(もしくはモデル図)は大変便利で、主張することを視覚的に把握できる。他者の言うこともこの図を用いて把握することができるようになる。
タイトル:「新版 論文の教室」
目的:上記の書籍は「問い」を立てるというものです。論文には「問いと主張と論証」が必要であり、問いを立てるということが重要です。また卒論とは、言わば「自分でテストを作って自分で答えるようなもの」だと考えています。「自分でテストを作る」という部分が、自分で問いを立てるということであり。「自分で答える」という部分が調査等を意味します。そのため、問いを立てるという事が研究において重要なのです。
研究内容
私は、「タンカー等の国際船舶から排出されるCO₂をどのようにして政策で抑制するのか」、という研究をしています。タンカー等の船舶は、所有者・所属・荷主(多国籍)がバラバラであり、それから排出されるCO₂がだれの責任であるのか、どうやって排出量を分けるのかという所が難しい問題です。それ故に、京都議定書でも排出削減目標から外された経緯があります。
今後、世界経済が成長すると同時に、各国の輸出量が増えることで、何も対策をしなければ2050年までに、CO₂排出量が現在の1.5倍~3倍(現在のCO₂排出量は世界全体の3%程度)になるのではないかという予測もあります。また、対策については国際海事機関(IMO)にて議論がされており、一昨年温室効果ガス削減対策を策定しました。今後は、温室効果ガスの削減を技術的に解決しようとするだけではなく、排出権取引や税金をかけることによって削減していく必要があると思われます。ただ、これらの案は理論的には正しいですが、なかなか難しい状況となっておりさらなる議論が必要となっています。