環境経営システム学科 古川柳蔵研究室紹介
研究内容
私は持続可能なライフスタイルのイノベーションの研究をしています。何故なら、今日の環境問題は技術だけでは解決できず、私たちのライフスタイルの変革が不可欠であるからです。具体的な研究は以下のようになります。
1. バックキャスティングによるライフスタイルデザイン
2. 90歳ヒアリング(戦前の暮らしを体験した人達に話を聞くこと)
3. ネイチャーテクノロジー
4. 実装研究
1のバックキャスティングとは、未来のある地点から現在を見て、未来の目標を描き、それをどのように達成するのか考える手法です。この手法によりライフスタイルの変革を行います。
2については、資源が循環していた戦前の暮らしを体験した人達に、昔の暮らしについてヒアリング調査を行うというものです。戦前の暮らしは文献としての記録はあるのですが、日々の生活の「楽しみ」や「心の豊かさ」については現在まで引き継がれていないという現状があり、これまで約600人の方にヒアリング調査を行いました。調査で得られた情報に基づき未来のライフスタイルをデザインする研究となっています。
3のネイチャーテクノロジーとは、自然が持つ低環境負荷な技術を応用し、新しいものつくりの形やライフスタイルをデザインする方法です。技術シーズとライフスタイルニーズをマッチングする研究を行っています。
4の実証研究は、岩手県北上市や鹿児島県沖永良部島などに訪問し、地元の住民の方々に地元の未来の暮らしを考えてもらい、「どうしたらその未来を実現できるのか」ということについてディスカッションを行い、実現に向けてプロジェクトを促進していきます。
ゼミ生の活動について
3年生は事例研究を行っており、まずは一通りの手法の基礎を学び地域のワークショップに参加・90歳ヒアリングを実施します。また、今年のゼミ合宿は伊勢志摩で行いました。この合宿では自然豊かな地域で活発にライフスタイル変革活動を行う地域住民と議論したり、90歳ヒアリングを実施したりしました。
4年生は、個別にテーマを与えて研究する形となります。例えば、「高校生がバックキャスティングをした場合どうなるのか」というテーマについて研究している学生もいます。